内田樹

作者はしばし自分がいちばん強い影響を受けた作家や
作品のことをわすれています。

そもそも忘れてしまわないと「どうしてこんな作品ができたのか
わからない」という自分自身の創造工程に対する『無知』が
失われてしまうからです。

そして『無知』に支えられない限り、人間は創造的に
なりえるはずがないのです。

自分がどうして作品を作るのか、どういう技法をつかったのか、
誰の影響を受けたのか、どの点が新しいのか、何を伝えたいのか。。。

そういうことが全部あらかじめわかっていたら、
人間は創造なんかしません。 

庵野秀明さん

人が感動したりとか面白いと思ったりする部分っていうのは、

その人の持っている記憶の中でしかないので、

その人の記憶の再構成というのがその部分になって出てくるわけで、

それは感覚的なものとか言語的なものとか、あと音楽的なものとか

いろんな情報にはなってはいるんだけどそれはその人の記憶として

ストックされているわけで、その人の記憶の中にないものは

その人にとって反応しようがない。

辻野晃一郎 さん

自分の業務をミクロにばかり見ていると

大局的な視点や考察が弱くなってしまいますから

自分の仕事、自分の職場、自分の事業部、自分のカンパニーを

「全体の中の部分」という視点で改めて見直していただきたい。

世の中のすべては「関係論」の中に成立しています。

さくらももこさん

たまに、人の話や本で感心する事もありますが

外からの情報というのはどこまでいっても情報にすぎず、

自分のものではないというのをいつも感じています。

参考になる本を読んでも参考にはなっても

やはり自分の経験から考えたことしか本当に体得した知恵では
ないんですね。

情報や知識も役に立つし大事ですが、それらは外の力です。

もっと大事なのは、自分の命の中から生まれた知恵だと
私は
思っています。

なので毎日いろんなことを真剣に考えたり、
また楽しみながら考えたり感じたりそういう事を大事にしながら
生きていきます。

村上春樹さん

ただひとつ僕に確実に言えることは、

夏目漱石谷崎潤一郎三島由紀夫の文章は、

あるいは吉行淳之介の文章はワープロやパソコンでは

かけない。

あるいはきわめてかきづらいだろうということである。